建設業って倒産しやすいのかな?資金繰りに余裕がないから不安だな…
今後建設業界で生きていくためにはどうすればいいんだろう?
このような疑問や不安を持っている建築業の事業主の方も多いのではないでしょうか?
近年、建設業界では原価競争の激化や資金繰りの悪化、人手不足など複数の要因が絡み合い倒産が相次いでいます。
建設業は生活インフラを支える重要な業界で、建設業界全体に元気が無くなってしまうのは非常に大きな問題です。
建設業界の企業が問題に対処しつつ、柔軟な経営戦略を立てることで、倒産リスクを回避し持続的な成長を目指すことができます。
こちらの記事では、建設業における倒産の背景や主な理由、そして今後の見通しや対策について解説していきます。
FP1級や社労士資格を活かして、資金繰りや労務環境改善のコンサルタントを行っている私がわかりやすく解説します!
建設業における倒産の背景
帝国データバンクが23年1月13日に発表した報告書によると、 建設業における22年の倒産件数は1,204件と前年から12.9%増加しました。
建設業界は、長引く景気低迷や人手不足など多くの課題に直面しており、多くの問題を抱えているのが現実です。
また、新型コロナウイルスの影響による需要の減少など多くの要因が複雑に絡み合って業界全体に大きな打撃を与えています。
- 景気低迷
- 人手不足
- 原価競争の激化
- 資金調達の難しさ
景気低迷
日本はバブル崩壊後に景気低迷が長引き、建設需要が減少するなど建設業界に暗い影を落としています。
さらに、2020年からは新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言などがの影響から建設プロジェクトの遅延や中止が相次ぎ、受注が減少しています。
受注が減少すれば企業の収益も減少してしまうことから、時代背景なども相まって建設業界全体の業績悪化につながっています。
人手不足
建設業界は人手不足が深刻です。
国土交通省の「最近の建設業を巡る状況について」によると、2021年における建設業の就業者数は485万人でした。
就業者数のピークは1997年の685万人でしたが、ピーク時よりも約30%減少しており、各現場は人手不足に対応に苦慮しています。
今後も
- 職人の高齢化
- 少子化
- 建設業界への就職を希望する人の減少
などの要因から、労働人口は減少すると予想されています。
労働力の確保は急務ですね…
少子高齢化は進んでいく以上、速やかに対策しなければなりません。
原価競争の激化
建設業界では、受注を獲得するため原価競争が激化しています。
競争は悪いことではありませんが、過度な原価競争は建設企業の利益率低下につながります。
また、利益率の低下に加えて人件費や材料費の高騰もあり、資金繰りが悪化している建設企業は多いです。
低価格での受注が続くことで安全対策や品質管理がおろそかになり、労災事故が発生してしまうケースも少なくありません。
その結果、建設業界全体の信頼が揺らぎ、さらに人手が離れてしまう悪循環に陥ってしまうのです。
資金調達の難しさ
建設業は大型プロジェクトや設備投資を多く行う必要があるため、スムーズな資金調達が必須です。
しかし、建設業界に逆風が吹いており、業績が悪化してしまうと銀行や信用金庫からの融資が受けにくくなってしまいます。
- 案件を受注できない
- 設備投資、機械投資ができない
- 労務環境の改善ができない
資金繰りが悪化すると受注できる案件も減ってしまうことから、倒産に陥るケースが増えてしまうのです。
確かに、資金繰りが厳しいと事業経営に制限が出るからな…
スムーズに資金調達ができるように備えておくことは非常に重要です!
今後の建設業の見通しと対策
倒産が相次いでいる建設業界を生き抜き、利益率を高めるためには自社においても工夫を施すことが欠かせません。
以下で、今後の建設業の見通しや取るべき対策を解説していきます。
- 技術革新・最新技術の導入
- 業界全体のイメージ向上
- 適切な工期設定
- 人材育成・人材確保
- コスト削減と資金繰りの改善
技術革新・最新技術の導入
建設業界においてICT化(情報通信技術)を進めることは非常に効果的です。
AIやロボティクス、ドローン技術などの最新技術を導入することで業務を効率化できます。
ICT化を進めれば必要なマンパワーが減ることから、人手不足の解消卯やコスト削減効果も期待できるでしょう。
- 高度な作業も効率化できる
- 現場を遠隔地から監視できる
- 資料や画像をデータ化してオンラインで共有できる
- ヒューマンエラーが減る
- 職人の高度な技術を機械化できる
ICT化の推進で、作業時間の短縮や業務プロセスの効率化が期待できますね!
作業時間が短縮できれば労働時間も減り、労働者の負担を軽減できます!建設の需要は今後は回復が見込まれるため、最新技術を導入している企業は有利ですよね。
業界全体のイメージ向上
建設業界は現場作業という性質上、
きついんじゃないの?
体力がないから無理
と思われてしまうことが多いです。建設業は危険な作業が多く、体力を要するのは間違いありません。
しかし、先述したICT化など最新技術を進めることで、
実際には、そこまで体力的に厳しくないですよ
という印象を与えることができるでしょう。
人手不足を解消するには、従来の建設業界に対するネガティブなイメージを払拭する必要があります。
業界全体でイメージアップを行い、人材確保に繋がるアクションを起こすことが重要です。
確かに、一般人の方は「建設業界はきつい」と感じますもんね!
実際に就業体験を広く受け入れるなどの工夫も重要です!
適切な工期設定
建設業では、短い工期が設定されることも少なくありません。
建設業では深刻な人手不足が起きている以上、工期が短いと職人の負担が加重になってしまいます。
- 労災が発生しやすくなる
- 長時間労働になりがち
- 休日が少なくなりがち
- 離職率が高まる
長時間労働が続くと、現場労働者の負担が増えて離職率が高まり、まさに悪循環です。
労働者の負担を軽減し、離職を防ぐためにも余裕を持った工期を設定することが重要と言えるでしょう。
実際に、国土交通省の『建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン』でも「適切な工期を設定して働き方の改善を図り、発注側が余裕を持った工期の設定の重要性を理解することも重要」とあります。
労災などの事故が起こる前に対策をする必要がありますね…
建設業は、悪天候の日は稼働できないなどのハンデもあります。余裕を持った工期を設定し、労働者が安心して働けるようにしましょう。
人材育成・人材確保
建設業界の人手不足を解消するためには、人材育成や人材を確保するためのアクションも重要です。
若者に対して業界の魅力をアピールし、働きやすい環境を整えることで人材が集まりやすくなるでしょう。
- 資格取得を支援する
- SNSやWEBサイトで建設現場で活躍している人を紹介する
- 休みやすい環境を作る
- 多様な働き方を認める
- 外国人労働者や女性の活躍を促進する
最近の労働者の希望やニーズを把握することも重要なのか…
誰しもが働きやすい環境を整備すれば、徐々に人手不足問題を解消できるでしょう。
コスト削減と資金繰りの改善
コスト削減を行うことで、企業の収益性が向上し倒産リスクを軽減できます。
具体的には、プロジェクト管理の効率化や業務プロセスの見直しを行い、無駄な業務の削減を行うと良いでしょう。
また、事業投資を行うためには資金繰りの改善も欠かせません。
必要なときにスムーズに資金調達する方法としておすすめなのが、ファクタリングやビジネスローンです。
担当者と良好な関係を築くことでスムーズに資金を工面できるため、資金繰りに関しても意識してみてください。
よくある質問
- 倒産を防ぐために必要な工夫を教えてください。
-
大きな理由として挙げられるのが、
- 景気低迷
- 人手不足
- 原価競争の激化
- 資金調達が厳しい
上記のポイントです。
特に、日本は少子高齢化が進んでいることから、人手不足を解決するための対策は重要と言えるでしょう。
- 建設業の将来性は無いのでしょうか?
-
将来性が無いというのは誤りです。
むしろ、建設業は生活に欠かせないインフラを提供しているため、必要不可欠な存在です。
人手不足を解決するための工夫や最新技術の導入などを行えば、課題を解決して収益力を高められるでしょう。
- ICT化を進めるための資金は、どのように調達すればいいですか?
-
既に銀行や信用金庫と付き合いがある事業主の方は、引き続き付き合いのある金融機関で相談してみてください。
銀行や信用金庫との付き合いがない場合や、既に融資を断られてしまった事業主の方は、ファクタリングやビジネスローンの活用がおすすめです。
ニーズに応じて資金繰りの相談ができ、最短即日で融資を受けられるため、中小の建築企業でも利用できる可能性があります。
相談だけでもしてみようかな…
もちろん、相談だけでも可能です。「資金を調達する方法は複数ある」ということを知っておくことも非常に重要です!
【建設業者必見!】資金繰りで悩んだら優良ビジネスローンで解決するのがおすすめ! 物価高で原材料費が上がって経営を圧迫している・・・ 人員を増やしたいけど、そのための資金が足りない・・・ と日々の資金繰りに頭を抱えている建設業者の方は多いの…
まとめ
建設業界の倒産は増えていますが、何の対策もしないと倒産件数は増えていくでしょう。
- 景気低迷
- 人手不足
- 原価競争の激化
- 資金調達の難しさ
多様な要因が影響していますが、問題や課題に対処することで企業の魅力が高まり、持続可能な成長が期待できます。
また、最新技術を導入することで人手不足を解消し、資金繰りを改善できるメリットも期待できます。
設備投資はもちろんですが、人材への投資も惜しむべきではありません。