個人事業主は融資を受けるときに不利なのかな?
個人事業主でも融資が受けやすくなるコツがあれば知りたい!
このような疑問をお持ちの個人事業主の方も多いのでないでしょうか?
近年は個人事業主やフリーランスが増えており、場面によっては融資を受ける必要に迫られることもあるでしょう。
個人事業主でも融資を受けることは可能なので、いざというときに備えて資金調達の方法を知っておくことは重要です。
こちらの記事では、個人事業主が融資を受ける際の上限額の目安、融資を受けるための対策や注意点などを解説していきます。
FP1級や証券外務員一種を取得し、金融機関で融資審査の経験もある私がわかりやすく解説します。
こちらの記事を読むことで、信用情報の重要性や融資をスムーズに受けるためのコツを知ることができます。
資金調達法や具体的な融資額のイメージを持ちたい個人事業主の方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください!
個人事業主と融資の関係
個人事業主やフリーランスは、会社組織を持たずに独自で事業を展開しています。
一般的に、個人事業主は法人よりも信頼性が劣ってしまうことから、残念ながら融資を受ける際の審査で不利になってしまうことがあります。
しかし、金融機関から資金を借り入れることで事業拡大や設備投資、運転資金の確保を確保できることから、融資を受けるためのコツを知っておくことは重要です。
- 政府系金融機関が提供する融資制度の活用
金融機関による融資
- ビジネスローンによる融資
ファクタリング
個人事業主が融資を受ける際には、事業の規模や業種、信用情報などがチェックされます。
また、融資を受けるにあたっては、事業計画書や提出書類の作成も重要です。
金融機関に対して、事業の成長性や収益性を示さないと融資の審査は通らないため、
創業したばかりで資金が足りていない
事業を拡大したい
と考えている個人事業主の方は、信用情報や事業の成長性をエビデンスを交えながら説明することを意識しましょう。
融資を受けるメリットとデメリット
融資にはメリットとデメリットがあります。
以下で、個人事業主が融資を受ける際のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
融資を受けるメリット
- スムーズに資金調達できる
- 事業拡大や成長を促進できる
- 設備投資や事業投資ができる
- 人材確保の投資も可能
融資を利用することで、短期間で自己資本以上の資金調達が可能です。
急な設備投資や運転資金の確保がスムーズに行うことができれば、事業成長のチャンスを逃すリスクを軽減できるでしょう。
新しく事業展開したいなぁ
将来有望な市場開拓を行いたい
など、素早く資金を調達するニーズに迫られても、融資を活用すれば素早く対応できます。
事業の拡大や成長を促すことで、競争力の向上や利益の増大が期待できます。
個人事業を始めて資金繰りに苦労することが多いため、スムーズに資金調達できると助かります!
スムーズに融資を受けるためにも、融資に通るコツを知っておくことは非常に重要なのです。
融資を受けるデメリット
- 担保や保証人が必要になることがある
- 金融機関によっては審査が厳しい
- 支払利息が発生する
一部の融資では担保や保証人が求められる場合があります。
担保や保証人を用意できない個人事業主にとって、大きなハードルと言えるでしょう。
また、政府系金融機関や銀行は、金利が低い一方で審査が厳格です。
信用力が乏しい個人事業主は、審査に通らない可能性がある点には留意する必要があります。
また、融資を受けたら利息をつけて返済しなければならないことから、返済負担にも注意しなければなりません。
必要以上に融資を受けると、返済負担が増加し事業に悪影響を及ぼすことがあるため、適切な資金計画を立てることが重要です。
メリットだけでなくデメリットにも注意を払う必要がありますね…
個人事業主が健全な事業運営を行うためには、メリットとデメリットを総合的に考慮して適切な資金調達方法を選択することが大切です。
個人事業主が融資を受けられる金額の上限
融資を受ける方法はいくつかありますが、個人事業主が融資を受けられる金額の上限には差があります。
以下で、個人事業主が融資を受ける際の金額上限の目安を紹介していきます。
- 金融機関ごとの上限額の違い
- 複数の金融機関や融資方法を組み合わせることも可能
- 金利や返済期間による影響
- 事業の規模や業種による違い
金融機関ごとの上限額の違い
金融機関ごとに融資の上限額に違いがあります。
主な金融機関や融資元について、それぞれの金額の上限の目安を解説していきます。
商業銀行
商業銀行は、一般的に銀行法が定める「普通銀行」のことを指しており、最も一般的な金融機関です。
多くの商業銀行では個人事業主向けの融資を行っており、最も代表的な資金調達先と言えます。
商業銀行で融資を受けられる金額は、数百万円~数千万円です。
地方銀行・信用金庫・信用組合
- 地方銀行
- 信用金庫
- 信用組合
上記の金融機関は、地域密着型という特徴があります。
地域の経済を活性化させるために、中小企業や個人事業主向けの融資が充実しています。
地方銀行・信用金庫・信用組合での融資額の上限は、商業銀行に比べてやや低めになるケースがほとんどです。
目安としては、目安としては数百万円~1千万円程度となります。
政府系金融機関
政府系金融機関は、国や地方自治体が出資・支援する金融機関です。
代表的なものとして日本政策金融公庫が挙げられます。
中小企業や個人事業主向けの低金利・長期返済の融資制度を提供している点が特徴で、審査は厳しいものの低金利で借入が可能です。
政府系金融機関での融資額の上限は、制度によって異なりますが数百万円~1億円以上と非常に幅広いです。
審査に通過できれば、個人事業主でも高額な融資が可能です。
ビジネスローン会社
ビジネスローン会社は、金融機関での融資の審査に通過できなかった個人事業主でも利用できる可能性があります。
金融機関よりも金利が高いデメリットがありますが、最短即日融資に対応しているため融資のスピードを最重要視している方におすすめです。
融資額の上限はビジネスローン会社によって異なりますが、数十万円~数千万円と幅広いです。
担保があれば多額の融資を受けることも可能で、柔軟に融資の審査を行ってくれる点が特徴です。
ファクタリング
ファクタリングは、売掛金を買い取ってもらい資金調達する方法です。厳密には融資ではないため、返済義務がない点がファクタリングの特徴となっています。
金融機関や専門のファクタリング会社がサービスを展開しており、売掛金の一部を前払いする形で資金調達ができます。
ファクタリングの上限額は、売掛金の額や信用状況に異なるものの、売掛債権次第で数百万円から数千万円程度まで工面できるのが一般的です。
売掛金を期日まで待つことなく現金化できるため、
急いで資金繰りを改善したい!
と考えている個人事業主の方におすすめです。
金融機関や融資方法ごとの上限額の違いを把握することが大切ですね!
事業規模や資金調達の目的に応じて、適切な金融機関を選択することが重要です。
複数の金融機関や融資方法を組み合わせることも可能
代表的な資金調達をお伝えしてきましたが、複数の方法を組み合わせることも可能です。
最終的に、個人事業主が融資を受けられる金額は、
- 事業規模
- 信用状況
- 融資を受ける金融機関や制度
- 融資方法
によって大きく変わります。
具体的な金額を知りたい場合は、複数の金融機関に相談して最適な資金調達方法を見つけることが大切です。
また、事業計画書や提出書類の作成にも十分に注意し、金融機関に対して自身の事業の魅力や成長性をアピールすることも意識しましょう。
金利や返済期間による影響
融資額の上限は、市場の金利や返済期間でも左右されます。
金利が低いほど返済負担が軽くなるため、より多くの融資を受けられる可能性があります。
また、返済期間が長いほど月々の返済額が抑えて無理のない資金計画が立てられるため、融資額の上限も増える可能性が期待できるでしょう。
事業の規模や業種による違い
事業の規模や業種によっても、融資額の上限が変わります。
規模が大きいほど
収益力が高く貸し倒れのリスクが低い
と金融機関から評価され、より多くの融資が通る可能性があります。
融資を受ける条件と審査基準
融資の審査では、様々な情報を勘案して融資額が決定します。
以下で、融資を受ける条件と審査基準を解説していくので参考にしてみてください。
- 信用情報の重要性
- 事業計画書の役割
- 審査基準のポイント
信用情報の重要性
個人事業主が融資を受ける際には、信用情報が重要な役割を果たします。
- クレジットカードの利用状況
- カードローンの利用有無
- 返済状況
- 各種ローンの利用状況
金融機関は、上記のような過去の取引履歴や延滞情報をチェックし、信用リスクを評価します。
信用情報が良好であれば、
信頼できる!
と評価され、融資の審査に通過する可能性が高まります。
事業計画書の役割
事業計画書は、融資を受ける際の重要な書類のひとつです。
将来の収益見通しや事業戦略、資金使途などを具体的に記載して金融機関に対して事業の成長性や収益性をアピールすることが大切です。
- 事業計画書:事業の目的や展望、具体的な計画などをまとめた書類
- 収支予測書:今後一定期間の収入と支出を見積もった書類
- 過去の決算書:過去数年間の事業の実績を示す書類
- 確定申告書:事業主の収益状況を示す書類
- 納税証明書:税金の滞納有無や支払った税金の額を示す書類
上記の書類は、融資を受ける際に金融機関が求める一般的なものです。
具体的な提出書類については、各金融機関に確認してみてください。
審査基準のポイント
金融機関は、個人事業主の信用情報や事業計画書、提出書類をベースに融資の審査を行います。
審査基準には、
- 事業の収益性
- 安定性
- 信用度
- 担保や保証人の有無
などが関係しています。
つまり、「安心してお金を貸せるかどうか」を審査しているんですね!
その通りです。信用情報は良好で収益力が高く、将来性も豊かであれば融資してもらえる可能性は高いです。
融資をスムーズに受けるためのポイント
個人事業主は、資金繰りに苦労する場面が少なくありません。
融資をスムーズに受けるためのポイントを知っておくことで、素早く資金繰りを改善しつつ、必要な事業投資を行うことができます。
- 適切な融資先の選択
- 書類作成は丁寧かつ魅力的に
- コンサルタントや専門家の活用
適切な融資先の選択
融資を受ける際には、自分の事業に適した金融機関を選ぶことが重要です。
事業の規模や業種に合った金融機関を選ぶことで、審査がスムーズに進み、適切な金額で融資を行ってもらえるでしょう。
事前に金融機関に問い合わせて、相談してみると良いでしょう。
書類作成は丁寧かつ魅力的に
書類作成は、融資を受ける上で重要なポイントです。
事業計画書など必要な書類を作成するだけでなく、融資を行う側に
融資を行う価値がある
と思ってもらう必要があります。
正確で分かりやすい内容にすることに加えて、自分の事業を魅力的にアピールすることが求められることから、金融機関の求めに応じて柔軟に対応することが大切です。
コンサルタントや専門家の活用
自分だけでは書類作成や事業のアピールができない…
という場合は、コンサルタントや専門家の知識と経験を活用しましょう。
- 会計士:財務諸表の作成や税務相談など、事業に関する財務面でのサポートが得意
- 弁護士:契約書の作成や法律相談など、事業に関する法律面でのサポートが得意
- 税理士:税務申告や税金の節約方法など、税務に関するサポートが得意
- FPなどの金融コンサルタント:金融コンサルタントは、融資のプロセスや審査基準に詳しく、最適な金融機関の選択や融資条件の交渉が得意
専門家の知識や経験を活用することで、融資の審査や条件交渉などのプロセスがスムーズに進みます。
その結果、資金調達の成功率が向上する可能性があるため、コンサル料や相談料を払ってでも活用する価値はあります。
自分だけでは自信が無いので、プロに頼ろうかな…
融資面談の際に同席してもらっても、まったく問題ありません!
よくある質問
- 政府系金融機関や銀行での融資は厳しいですか?
-
こちらの記事で紹介した機関やサービスの中では、厳しい部類に入ります。
金利が低く設定されている魅力がありますが、その反面審査は厳格に行われる傾向です。
もし政府系金融機関や銀行での融資に通過できなかったとしても、ビジネスローンやファクタリングで資金調達する方法があります。
- 個人事業主でも、ビジネスローンは利用できますか?
-
審査に通過できれば、利用できます。
ビジネスローン審査は金融機関よりも緩い上に、柔軟に行ってくれる傾向にあります。
また、信用力や事業の将来性に不安が無ければ数千万円規模の融資を受けることも可能です。
- ビジネスローンとファクタリングどちらがおすすめですか?
-
シーンによります。
- ビジネスローン→最大で数千万円を最短即日で調達できるが、返済義務あり
- ファクタリング→調達できる金額は売掛金のよるが、返済義務なし
上記のような違いがあるため、シーンに応じて最適な手法を選択しましょう。
まとめ
個人事業主が融資を受けられる上限額は、
- 金融機関
- 事業規模・業種
- 市場金利
- 返済期間
- 事業の信用力
などによって異なりますが、数百万円~数千万円が一般的になります。
各調達方法でメリット・デメリットがあるため、自身の希望や資金ニーズに合わせて適切な金融機関を選ぶことが大切です。
また、金融機関に関係なく
- 信用情報を良好に保つこと
- 収益力を高めること
- 将来性があるか吟味すること
- 時代の変化に柔軟に対応すること
上記のポイントを意識することは、ビジネスを行う上で常に重要です。
また、専門家の助けを借りながら事業計画書などの提出書類を適切に作成することも、金融機関の審査を通過しやすくなる上で欠かせないポイントです。
今後個人事業を拡大させようと考えているので、最適な融資方法を模索してみます!
こちらの記事が、個人事業主の方のお役に立てば幸いです!