いくら求人をかけても人が来てくれない…
人手がないから今いる社員の負担が増えっぱなしだなぁ
このような問題を抱えている小売業事業主の方も多いのではないでしょうか。
少子高齢化が進む日本で、特に小売業界は深刻な人手不足問題に直面しています。
人手が足りないと、今の社員の負担が重くなるのはもちろん、事業の拡大もままなりません。収益力を伸ばし、企業の財務安定性を高めるためには人手の確保が必須です。
こちらの記事では、小売業界が直面している人手不足の問題や克服するための解決方法を解説していきます。
社労士資格や行政書士資格を活かして、実際に企業コンサルタントを行っている私がわかりやすく解説します。
人手不足問題の背景
小売業界では深刻な人手不足が起こっていますが、原因となっている理由はいくつかあります。
- 少子高齢化と労働力不足
- 景気に敏感で人手が離れやすい
- 高度なスキルや知識が求められる
- 働き方に対する価値観の変化
根本的な原因を知ることで、解決法が見えてきますよ!
少子高齢化と労働力不足
日本の少子高齢化は急速に進んでおり、労働人口の低下から労働力不足が起こっています。
令和4年度の出生数は戦後初めて80万人を下回るなど、今後も労働人口の上昇は大きく期待できない状況です。
特に、小売業界は労働集約的な業態である上に長時間労働が常態化していることから、人手不足の問題が深刻です。
少子高齢化が進むにつれて、ますます企業が求める人材を確保することが難しくなっていくでしょう。
景気に敏感で人手が離れやすい
小売業界では、アルバイトやパートタイムの労働者が貴重な戦力となっています。
しかし、小売業界は景気に敏感な特徴があるため、不景気になると人件費負担が重しになってアルバイトやパートタイムの労働者を解雇する傾向にあります。
その結果、残った社員の労働時間が増加し負担が増大することで、
転職しよう
と考える社員が増える悪循環に陥ってしまうのです。
新型コロナが原因で離職してしまった社員も多かったからなぁ…
一度離れた社員が戻ってくる可能性は低いため、不景気でも動じない財務基盤を築くことも重要ですね。
高度なスキルや知識が求められる
人口動態の変化に伴って、消費のトレンドも変化します。
少子高齢化が進むと消費の主体が中高年や高齢者となるため、該当する年代の消費ニーズに対応しなければなりません。
求められるモノやサービスの変化に伴って、新たなサービスや商品の開発が求められるようになり、社員の業務負担が増えています。
働き方に対する価値観の変化
働き方に関する価値観も、時代の変化に伴って変容しています。
以前は
- 長時間労働が当たり前
- 労働時間の長さ=頑張っている証拠
- 家庭よりも仕事
という価値観で働くことが主流でした。
しかし、近年は
自分の時間を大切にしたい
家族と過ごす時間を確保したい
と考える人が増えています。
労働者の働き方や職場にする価値観も変化していることから、社員の希望を満たせないと人材を確保することは難しいでしょう。
業務の効率化や働きやすい環境作りを進めることが重要なんですね!
小売業界では、少子高齢化と労働力不足に対処するための施策を検討することが重要と言えるでしょう。
小売業界に求められること
人手不足を解消するためには、人が集まってくるような職場環境を作ることが重要です。
以下で、魅力的な職場環境を作るにあたり、今後小売業界に求められることを解説していきます。
- 効率化とコスト削減
- 効率的な在庫管理
- 顧客ニーズの把握と対応
- 労働力の最適化
- テクノロジーの活用
- 外国人労働力の活用
効率化とコスト削減
人手不足に対応するためには、
- 少ない人数でも回る体制作り
- 業務の効率化
- コスト削減
- AI機器の導入
などの対策を行うことが重要です。
労働力不足を補うためには、最新の機器を活用して少ない人数で効率的に業務をこなす必要があります。
効率的な在庫管理
在庫管理で貴重なマンパワーを使うのではなく、AI機器の導入や外注化を通じて業務を効率化する方法があります。
適切な在庫量を確保することで売り場スペースの削減にもつながるため、効率的な在庫管理はコスト削減にもつながります。
必要に応じて外注化も検討してみます!
業務の一部を外注化するだけでも、社員の負担はグッと減りますよ!
顧客ニーズの把握と対応
顧客ニーズの変化に伴って、適切な商品やサービスも変化します。
ビックデータなどのIT技術を活用し、顧客データを活用した商品企画や販売促進活動を行うことも業務効率化に繋がります。
- トレンドが下降している商品やサービスは撤退する
- トレンドや売れ筋のモノやサービスに注力する
ことで、余計な在庫を抱えずに済みます。
労働力の最適化
業務の見直しや最新機器の導入を図り、労働力の最適化を図ることも重要です。
- シフト管理の効率化
- 業務の分担を見直し
- 適材適所の人材配置
を行うことで、貴重な労働力を有効活用できます。
テクノロジーの活用
人手不足問題に対処するための一つの解決策として、テクノロジーの活用が挙げられます。
特に、近年はAI技術やロボット技術が発達しており、小売業の現場においても活躍する事例が増えています。
AIによる在庫管理
AI技術を活用して在庫管理を行うことで、業務を効率化できます。
AIは、
- 過去の販売データ
- 季節性
- 最新のトレンド
- イベントなどの情報
などを総合的に分析した上で最適な在庫量を予測するため、一定の信頼感があります。
貴重なマンパワーを割かずに済むのはもちろん、在庫の過剰や不足を防ぎ売上機会の損失や在庫コストの削減というメリットも期待できるでしょう。
また、ロボット技術の導入も業務効率化に繋がる効果が期待できることから、検討する価値があります。
AIを活用した顧客対応
顧客対応でも、AIを活用できます。
- チャットボットを利用した問い合わせ対応
- 問い合わせフォームへの自動返信機能
- 顧客の購買履歴や好みに基づく商品推薦
いちいちマンパワーを割かずとも、AIを活用すれば顧客へのアプローチも効率化することが可能です。
確かに、多くのECサイトやメルマガでも「あなたへのおすすめ!」って頻繁に見かけますね。
人間の目で分析するよりも圧倒的に効率的なので、AIに任せるのも一計です。
無人レジシステム
近年は、多くのコンビニやスーパーで無人レジシステムが導入されています。
レジに割く人員を削減できれば、労働負担を軽減して人手不足を解消が期待できるでしょう。
また、社員を生産性の高い業務に振り分けることができるため、企業の収益力向上にも繋がります。
人材育成と働きやすい職場環境の整備
テクノロジーの活用も重要ですが、人材育成や働きやすい環境整備も重要です。
劣悪な職場環境だと、どんどん人が離れてしまうからです。
- 人材が獲得しやすくなる
- 離職率が低下する
- 労働生産性が向上する
- 社員満足度が高まる
上記のような効果が期待できるでしょう。
職場環境の改善
労働環境を整備することは、社員がストレスなく働くために重要です。
- 福利厚生の充実化
- 休日数の増加
- 労働時間の短縮化
- フレックスタイム制度の導入
働き方の自由度を高めることで、プライベートと仕事の両立がしやすくなります。
社員ファーストで考えることが重要ですね!
社員ファーストで動いてくれる事業主は、自然と信頼が高まりいい人が集まるようになります!
育児・介護休業への理解
育児や介護など、社員のライフイベントへの理解を深めることも重要です。
休業する場合や一度離職した社員を復帰させる制度など、長く安心して働ける環境を整備することで人材確保に繋がります。
人員が欠けても職場が回るように備えることも重要ですね!
そのためにも、人員の確保と業務の効率化が欠かせません!
外国人労働力の活用
国内の労働力不足を補うために、外国人労働力の活用が注目されています。
言語の壁はあるものの、多様な文化や考え方を持つ外国人労働者が新たなアイデアをもたらしてくれる可能性もあります。
固定観念にとらわれないアイデアを上手に活用できれば、企業の競争力を高めることが期待できるでしょう。
外国人の活用は、企業の競争力向上やイノベーションの創出にも繋がるんですね。
多様性を受け入れる企業は、人材確保と競争力の向上を同時に達成できる可能性があります!
多様な働き方を受け入れる
国籍が違えば、文化も違います。
日本の文化を一方的に押しつけるのではなく、外国人が心地よく働けるように多様な働き方を受け入れる姿勢を示すことが重要です。
- 柔軟な勤務時間
- 宗教や文化に配慮した休暇制度
- 言語や文化研修の実施
など、外国人が
自分は受け入れられている
と感じられるようにすることが大切です。
サポート体制の整備
外国人労働者が安心して働けるように、生活に関するサポート体制を整備することも重要です。
- 住居や通勤手段の手配
- ビザ手続きの支援
- 医療機関や行政手続きの案内
- 職場における社員同士の交流
など、私生活までサポートすることで、外国人の人材を確保しやすくなります。
よくある質問
- 小売業界で人手不足を解消する方法を教えてください。
-
AI機器の導入を通じた業務の効率化、働きやすい職場環境の整備が挙げられます。
現在の社員の声をヒアリングした上で、現在抱えている不満を拾い上げると課題が見えてきます。
- AI機器の導入を検討しているのですが、事業資金が不十分です。
-
- 金融機関からの融資
- ビジネスローン
- ファクタリング
上記の手段で資金を調達する方法があります。
特に、中小規模の企業はビジネスローンやファクタリングの活用がおすすめです。
比較的審査が緩く、資金の使用目的をしっかり説明できれば資金を調達できるでしょう。
【物販事業者必見!】資金繰り問題の解決方法は?ファクタリングとビジネスローンを比較 取引先から売掛金がまだ支払われない・・・困った 売掛金の回収は遅れても、支払いは伸ばせないし・・・悩ましいなぁ と資金繰りに頭を抱える事業者の方は多いのではな… - 小売業界では今後も人手不足が続きますか?
-
少子高齢化のトレンドを考えると、その可能性は高いです。
小売業界は参入障壁が低く競争も激化しやすいため、他社と差別化して魅力的な職場環境を作ることが重要です。
日本人に限らず、多くの人を採用するようにします!
高齢者や外国人も、貴重な労働力です。積極的に採用して人手不足を解消してみてください!
まとめ
小売業界が深刻な人手不足の状況にあるため、業務の効率化や人手を確保するための工夫が不可欠です。
- テクノロジーの活用
- 人材育成と働きやすい環境の整備
- 外国人労働力の活用
などを積極的に推進することで、人手を確保しやすくなるでしょう。
人手が足らなくなると、事業を拡大しようとしてもできずに終わってしまいます。長期的な視野で経営について考え、適切な事業投資を行いましょう。